神経因性膀胱
尿をためる(蓄尿)・尿を出す(排尿)ことは、大脳・脊髄、末梢神経といった神経機構の制御を受けることによって行われています。そのため、排尿に関係する神経が一部でも悪くなると、尿の出方が悪くなったり(排尿困難)、尿が近くなったり(頻尿)、尿が漏れたり(尿失禁)します。もちろん、こういう症状は神経の異常だけが原因というわけではなく、他の病気が原因である可能性もあり、専門医の受診が必用となります。つまり、神経因性膀胱とは、何らかの神経疾患(神経の病気)により、排尿・蓄尿の状態が悪くなった状態のことをいいます。
原因
神経因性膀胱の原因としては、排尿に関係するすべての神経の病気が原因となります。代表的な病気としては以下のものなどがあげられます。
- 脳疾患
(1)脳梗塞、脳出血、パーキンソン病など
- 脊髄疾患
(1)脊髄損傷などのけが、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など、脊髄が圧迫を受けることによるもの
(2)脊髄梗塞や脊髄動静脈奇形など脊髄の血管の異常によるもの
(3)二分脊椎、脊髄稽留症候群など、先天性の病気によるもの
(4)そのほか
- 末梢神経障害
(1)糖尿病性末梢神経障害
(2)骨盤内手術(子宮・直腸手術)による神経障害