最近ではPSA({prostate specific antigen=前立腺特異抗原}の頭文字、ピーエスエーと読む)という優れた腫瘍マーカーの普及もあり、前立腺がんあるか否かの目安をつけることができ、前立腺がんはより早期に発見される様になってきています。PSAの正常値は決まっていません。しかし、実際の診断においては4.0 ng/mlを基準値とし、これを上回る場合をがんの疑いありとして精密検査(前立腺生検)をおこなうことを考慮します。
簡便で有用であるため、前立腺がんのスクリーニング(検診)に広く用いられています。ヨーロッパから大規模研究結果から、PSA検診が前立腺がん死亡率を減少させることが証明されました。前立腺がんの好発年齢である50歳になったら年1回のPSA検査をお勧めします。最近では自治体による住民検診、職場検診、人間ドックなどにおける検査項目にオプションとしてPSAも組み入れて測定することが多くなってきました。